1.個人民事再生とは |
個人民事再生手続では、現在の債務総額のうち、法律で定められた最低弁済額以上の金額を、原則として3年間で弁済するという再生計画を立てます。それが裁判所に認可された後、再生計画どおりの弁済を完了すると、それ以外の債務の支払い(非減免債権を除く)が免除される手続です。債務の免除率は最大で80%なので、たとえば、債務額が500万円の場合の最低弁済額は100万円となります。 ただし、住宅ローンがあり、住宅資金貸付債権に関する特則を利用する場合の住宅ローンについては減額されないので、住宅ローンについては債務元本と利息の全てを支払うことになります(支払い条件の変更は可能)。それでも、住宅ローン以外の債務が8割カットされれば、大幅に支払いが楽になるはずです。 個人民事再生は、多くの場合、住宅ローンに加えて消費者金融、クレジットカードのキャッシングなどの債務を抱えている方が、住宅を維持しつつ債務整理することで生活再建しようとする手続ですが、住宅ローンの無い方でももちろん利用可能です。 |
2.個人民事再生の効果 |
個人民事再生手続を利用する大きなメリットは次の2点です。 2-1.債務総額を大幅に減額することができる 個人民事再生によれば債務を大幅に減額できる可能性があります。たとえば、債務総額が500万円の方が個人民事再生を利用した場合の最低弁済額は100万円です。つまり、100万円を返済すれば、あとの400万円は免除されるということですから、任意整理をするのに比べて返済すべき金額が大幅に減額されることになります。 また、個人民事再生では3年間での弁済が原則ですから、月々の支払額は約28000円(100万円÷36回)で済むことになります。ここで例にあげた500万円とは、利息制限法による制限利率を超える高金利で借入れをしているものについては、適法な金利で再計算した債務額です。したがって、消費者金融やクレジットカードのキャッシングによる高金利での借入については、再計算により減額した債務額から、さらに5分の1になるということです。 ただし、上記はあくまでも最低弁済額ですから、個々のケースによっては最低弁済額以上の弁済をする再生計画になることもあります。 2.ローン支払い中の住宅を手放さずに債務整理できる 自己破産をすると所有している住宅は必ず手放すことになりますが、個人民事再生では「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用することで住宅を維持することができます。ただし、住宅ローンについては減額されませんから、債務元本および利息の全額を支払うことになります。借入れ当初の契約内容に従って弁済を継続することが多いですが、民事再生の手続の中で住宅ローンの支払い条件を変更することも可能です。 さらに、もし再生手続開始の申立ての際に、すでに住宅ローンを滞納している場合でも、保証会社による代位弁済から6ヶ月が経過する前であれば、個人民事再生手続により、住宅を維持しながら債務整理をすることが可能です。しかし、住宅ローン支払いが滞っていれば、それに対する遅延損害金の支払いが必要ですし、再生計画に対する住宅ローン債権者の協力を得ることも難しくなることも考えられますから、約定どおりの支払いが困難だとわかった時点で、早めに個人民事再生の利用を検討すべきです。 また、住宅資金貸付債権に関する特則を利用できるのは、自分自身が所有し居住している住宅に限られ、さらに住宅ローンよる抵当権以外の担保権が付いていないことなどの条件がありますから、詳しくは専門家(弁護士、司法書士)に相談してください。 |
3.個人民事再生の対象者 |
個人民事再生を利用できるのは、継続的または反復して収入を得る見込みがあり、かつ、住宅ローン以外の債務が5,000万円を超えない方です。サラリーマンなどの給与所得者はもちろん、個人事業主でも継続的または反復して収入を得る見込みがあるならば利用可能です。 また、個人民事再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2つがあります。給与所得者等再生では、上記の要件に加え「給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがあり、かつ、その額の変動幅が小さいと見込まれる」ことが必要です。ただし、給与所得者の方でも、もちろん小規模個人再生を利用することが可能です。 司法書士への相談はこちら |
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